
テニスにおいて、フォアハンドは選択の余地がほとんどありませんが、バックハンドには「片手打ち」と「両手打ち」という、全く異なる2つの選択肢があります。
プロの世界を見れば、かつては片手打ちが主流でしたが、現代では圧倒的に両手打ちが増えています。しかし、フェデラーやチチパス、ムセッティのような片手打ちの美しさと攻撃性に憧れる人も絶えません。
今回は、「片手バックハンド」と「両手バックハンド」のメリット・デメリットを徹底比較します。自分に合ったスタイルを見つけるための参考にしてください!
1. 両手バックハンド:現代テニスのスタンダード
現在のプロツアーの約8割以上が採用しているのが両手打ちです。その理由は「安定感」と「パワーの補いやすさ」にあります。
【メリット】
- 高い打点の安定感: 左手(非利き手)が添えられているため、肩より高い打点でも面がブレにくく、力強く押し返すことができます。
- リーチの短さをカバー: 体に近い打点や、食い込まれたボールに対しても、左手の力を使ってなんとか返球できる許容範囲の広さがあります。
- 習得が早い: 利き手一本で支える必要がないため、非力な子供や女性でも比較的短期間でラリーができるようになります。
【デメリット】
- 遠いボールへのリーチ: 両手で握っている分、どうしても腕が届く範囲が狭くなります。遠いボールに対しては、より細かなフットワークでボールに近づく必要があります。
- スライスの切り替え: 両手打ちのフォームから、片手でのスライスやドロップショットへ切り替える際、グリップチェンジに慣れが必要です。
2. 片手バックハンド:自由度と攻撃性の極致
絶滅危惧種と言われながらも、根強い人気を誇る片手打ち。その魅力は「リーチ」と「多彩なショット」にあります。
【メリット】
- 圧倒的なリーチ: 両手打ちに比べて、ラケット1本分遠いボールまで届きます。守備範囲が広く、スライスへの移行もスムーズです。
- 角度をつけたショット: 肩の可動域を広く使えるため、クロス方向への鋭いアングルショットや、高い位置からの叩き込みがしやすいのが特徴です。
- ネットプレーとの相性: バックハンドボレーは基本的に片手です。ストロークを片手で打つ人は、ボレーへの感覚の繋がりが良く、ネットプレーがスムーズになります。
【デメリット】
- 高い打点が鬼門: 利き手一本で支えるため、高く跳ねるスピンボールを叩くには、強靭な前腕と完璧なタイミングが求められます。
- 打点の許容範囲が狭い: 少しでも打点が後ろに食い込まれると、力が入らずミスになります。常に前で捉え続ける集中力が必要です。
3. あなたに合っているのはどっち?チェックリスト
プレースタイルや身体的な特徴から、適性を判断してみましょう。
両手バックハンドがおすすめの人
- ミスを減らし、安定したラリーを好む人
- 高い打点の跳ねるボールが苦手な人
- 左手を使って「フォアハンドのように」打ちたい人
- フットワークに自信があり、ボールにしっかり近づける人
片手バックハンドがおすすめの人
- リーチの長さを活かして、コートを広く守りたい人
- スライスやネットプレーを多用するオールラウンダーを目指す人
- 「形」の美しさや、決まった時の快感を重視する人
- 手首や前腕の筋力があり、鋭いしなりを作れる人
4. スタイル変更はあり?なし?
「今から片手に変えても大丈夫?」という相談をよく受けますが、結論から言えば「目的次第」です。
試合で勝ちたい、最短で上達したいというのであれば、現代テニスの定石である両手打ちを極めるのが近道です。しかし、テニスを楽しむ上で「憧れの選手の真似をしたい」「片手の方が打っていて気持ちいい」というモチベーションは非常に大切です。
もし変更する場合は、最低でも3ヶ月〜半年は腰を据えて取り組む覚悟を持ちましょう。打点の位置が根本から変わるため、一時的にスコアは落ちるかもしれませんが、その先の進化は計り知れません。
まとめ:最終的には「フィーリング」を信じよう
両者には明確なメリット・デメリットがありますが、最終的に長く続けられるのは「自分が納得しているフォーム」です。
- 安定とパワーの両手打ち
- リーチと多彩さの片手打ち
どちらを選んでも、正しく練習を積めば必ず武器になります。迷っているなら、まずは球出し練習で両方を試してみて、インパクトした時の「しっくり感」が強い方を選んでみてはいかがでしょうか?
「片手から両手に変えて成功した!」「両手だけど片手に憧れる……」といった皆さんの体験談を、ぜひコメント欄で教えてください!